イスラエルのギャラント国防相は25日夜、同国内の司法「改革」案の立法化をめざす国会審議の中断を求める声明を発表した。改革案の立法化はネタニヤフ政権の方針で、安全保障の要を担う国防相が公然と反対する異例の事態となった。
改革案には、最高裁判事の任命で議会がより強い影響力を行使できるようにしたり、最高裁判決を議会の過半数の決定で無効化できるようにしたりすることが盛り込まれている。
同国では司法は軍と密接な関係にあり、軍が関わるユダヤ人入植地などの占領地についての政府の決定を最高裁が無効にすることなどがあるが、改革案はこうした力関係を変えることにつながる。
ギャラント国防相は25日夜に臨時のビデオ演説で声明を発表。司法制度の変更は必要との立場を強調しつつ、議会の決定に歯止めをかけにくくする現行の改革案が国内対立の激化を招き、軍の司令官や兵士たちの間にも混乱や対立が起きているとし、「安全保障上の脅威だ」と述べて立法化の過程の中断を求めた。
昨年12月末に発足したネタ…