第1回発熱した子、病児保育で「生活が大変に」 シングルマザーが託す思い
「やっぱり熱が出た。生活費がまた大変になる……」
午前5時半、横で寝ている4歳の次女の体温を測ると、38度の高熱が出ていた。前夜から鼻水を出し、機嫌が悪かった。
関西に住むシングルマザーの女性(38)は携帯電話の時刻をにらむように見つめながら、表示が午前7時になった瞬間に近くの病児保育施設に電話した。定員は2人で先着順。預けられないと、仕事を休むしかなくなる。
この日は無事に予約できた。ほっとするのもつかの間、保育所に欠席の連絡を、職場に午前の欠勤をわびる連絡を入れた。
高齢者施設で介護の仕事をしており、通常の出勤時間は病児保育の利用開始と同じ午前8時半。午前はデイサービスの利用者らを自宅まで車で迎えに行くのが仕事で、遅刻できない。病児保育に預ける日は、泊まり明けのスタッフに残業してもらったり、別のスタッフに休日出勤してもらったりして、午前の仕事をカバーしてもらう。「必ず誰かにしわ寄せが行くので、簡単に休めない」
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