文化庁が京都で始動 都倉俊一長官「大きな花火を京都から世界へ」
文化庁は27日、京都に移転し業務を始めた。新体制の指揮をとる都倉俊一長官(74)に、移転の意義や今後の文化行政について聞いた。
――文化庁が京都に移転する意義をどう考えるか。
「京都は古い文化財の宝庫で、京都で見ると、これは日本の宝だ、大切に将来に継承していかないといけないという気持ちになる。それが文化庁の仕事の半分以上を占める。もう半分は、将来に向かって、日本がもっと違う意味での文化芸術立国になっていくために、外に打って出る、日本の文化芸術のグローバル化。古き良き伝統だけではなくて、日本の漫画やアニメ、ゲーム、メディアアートなども含めて世界に冠たるものがある」
「京都発というのは、東京発とは違うニュアンスがある。海外の人に聞いても、一つの本当に素晴らしいブランドだと。海外との文化芸術の提携がよりしやすくなると思う。東京だと色々なものがありすぎて、文化芸術に特化できない。京都で文化庁、文化芸術、と言うと海外からしてもわかりやすい」
――発信でも、京都発という意味があると。
「すごくやりやすくなると思っている。これから色々なことを考えている。京都発として、今まで東京ではなかった音楽祭なのか、何か世界的なものを。少し口幅ったい言い方をすると、日本は文化芸術立国として、東南アジア諸国連合(ASEAN)をリードしていかないといけないと思う。東南アジアだけでなく、環太平洋も含めて『京都に集まれ』というイベントがあれば、みんな来ると思いますよ。東京に集まれというのは当たり前すぎちゃってね(笑)」
――文化庁は「全面的に移転」とされていたが、実際は文化財や宗教は京都、著作権や文化芸術振興などは東京に残る。2カ所に分かれてしまう、2拠点とも言えるのでは。
「そうですね」
全国の文化行政「ぶれてはいけない」
――そんな中、長官は京都で…