元閣僚→野党、野党→親軍政党 生き残りに右往左往するタイの政治家

有料記事

バンコク=翁長忠雄
[PR]

 4年ぶりの下院総選挙が5月に実施されるタイで、政治家の政党間の移籍が目立っている。下院の解散直前まで親軍政党にいた元閣僚が離党して最大野党に移ったり、最大野党の元議員が親軍政党から再選を目指したり。選挙は国軍主導のプラユット政権が継続するか否かが最大の焦点。「生き残り」をかけ、政治家のさまざまな計算と事情が交錯している。

 プラユット政権の閣僚を17日に辞任したスリヤ元工業相とソムサック元法相は23日、記者会見し、タクシン元首相派の最大野党「タイ貢献党」に入党すると発表した。

 2人は貢献党の前身政党に所属し、タクシン政権で閣僚を経験。2007年に前身政党が解党された際に5年間、公民権を停止された。軍政からの民政移管を前に親軍政党「国民国家の力党」に加わり、19年の選挙後に発足したプラユット政権を支えた。

 会見に同席した貢献党のチョンナン党首は、「ゆがんだ選挙制度のために2人は『力党』に参加して(14年の)クーデター主導者のプラユット氏を支えざるを得なかった」と述べた。

 スリヤ氏は「クーデター後の4年間の軍政は外国の投資家に受け入れられず、タイは多くの機会を失った。次の4年間、力党は十分な議席を確保できず連立となり、経済関係の閣僚が複数政党に分散され、経済問題に十分対処できなかった」と語った。さらに「貢献党が地滑り的勝利を得れば経済問題に対処できる」と貢献党への移籍の理由を説明した。

 ソムサック氏は「貢献党の単独政権ができると信じている」と語った。

 英字紙バンコク・ポストによると、ソムサック氏は「私は野党でいるより政権にいる方が良い」と述べたという。貢献党の勝利を見据えた上での転身だ。

 逆に貢献党から力党に移った元議員もいる。

 東北部コンケン県出身のバン…

この記事は有料記事です。残り712文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません