「アメ村にない概念」とは 大阪・ミナミで福祉施設を開いたわけ

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高井里佳子
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 多くの若者が集まる大阪・ミナミの「アメリカ村」で、ストリートファッションを扱うビルの中に昨秋、「福祉」の拠点ができた。運営するのは、百貨店でマグロをさばいてきた男性。10年前の職場でのある出会いから、歩みは始まった。

 ランドマークの三角公園から徒歩2分。人気の洋服店が入るビルの5階で、男性2人がミシンを動かし、余った布きれで巾着袋を作る練習をしていた。その様子を、ネームカードを首から提げた女性たちが見守る。

 「ジョリークラン」と名付けられたこの場所は、企業で働くのが難しい人たちが職業訓練をする「就労継続支援B型事業所」に分類される。

 利用者は1階にある同名の店舗「jolly clan(ジョリークラン)」で売るTシャツのプリント作業をして、ワッペンやタグを付ける。ゆくゆくは、自らデザインしたものを売ることや接客をすることも目指している。

 「福祉とつながれていない若者に、支援の場は身近にあると知ってほしい」

 代表の前田五大(ごだい)さん(35)はそう語る。

 原点には、高校卒業後に10年間勤めたマグロの卸売会社での経験があった。

10年前、前田さんはある20代の男性と職場で出会い、「自分が変わろう」と考えました。記事後半では、「アメ村」に開いた事業所の利用者の声を紹介します。

ミスを繰り返し、なじめなかった同僚

 入社5年目の2012年ごろ、百貨店の食品売り場でマグロをさばく仕事をしていたとき、中途採用の20代男性が配属されてきた。

 男性は周囲になかなかなじめ…

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