ミャンマー国軍、民主派を「テロリスト」と非難 軍事パレードも
2021年2月のクーデターで権力を握ったミャンマー国軍は27日、首都ネピドーで「国軍記念日」の式典を開いた。ミンアウンフライン最高司令官が演説し、民主化指導者アウンサンスーチー氏を支持する民主派を「テロリスト」と非難。「国軍と政府は行動を起こす必要がある」と述べ、民主派への強硬姿勢を改めて鮮明にした。
式典には8千人以上の兵士が参加し、装甲車両などがパレードした。演説でミンアウンフライン氏は、市民の抵抗について「当初は平和的だったが、その後、テロリストが無実の市民を攻撃し始めた」と主張。「テロを許す政府はない」として、国軍による弾圧を正当化した。
また、国際社会でミャンマーが孤立を深めていることを念頭に「テロリストを支援する国や国際機関からの批判や非難は、完全に間違っている」と主張。「民主主義の正しい道を歩むため、現在の政府の努力に協力するよう国際社会に求めたい」とした。
1945年の対日蜂起を記念する「国軍記念日」は国軍が最も重視する行事。日本は欠席したが、ミャンマー国軍によると、国軍と関係を保っている中国やロシア、インドなど計10カ国の代表が出席した。
国軍は今年2月に非常事態宣言を延長。8月までに実施するとしていた総選挙を事実上、先送りし、民主派への弾圧を続けている。現地の人権団体「政治犯支援協会」によると、今月24日までに殺害された市民は3160人に上る。(ネピドー=福山亜希)
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