消える「星野君の二塁打」 服従求める内容に批判 小学校道徳教科書

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中村瞬 編集委員・氏岡真弓
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 少年野球で星野君が監督の送りバントのサインに背き、二塁打を打ってメンバーから外される――。そんな道徳の定番教材「星野君の二塁打」が、2024年春から使われる小学校の教科書から消えた。「子ども自らが考えることが重視される時代、監督の指示への服従を求める古さが浮かび上がった結果だ」と識者はみる。野球のルールを知らない子どもが多いことも影響したようだ。

 「星野君」は、集団生活でのルールを考える教材として50年以上使われてきた。だが18年、日大アメフト部の悪質タックル問題を機に注目を浴びる。監督からの指示の有無が社会的な関心を呼んだことから、指示に背いた選手が処分されたこの作品に批判が集まった。

 現行の道徳の教科書で掲載しているのは東京書籍、廣済堂あかつき、学校図書の3社。いずれも申請や掲載を見送った。

 このうち、東京書籍をのぞく…

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2023年3月29日12時10分 投稿
    【視点】

    「星野くんの二塁打」について、ラグビーをしていた私からすれば星野くんの判断には賞賛しかありません。外野にいる監督より、実際にグラウンドに立っている選手の判断を優先するのは、至って当然だからです。だから、これがなぜ道徳の教科書に採用されている

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2023年3月28日18時41分 投稿
    【視点】

    【消えてよかったのか】筆者です。 えーっ。星野君が消えた! 取材班のなかで驚きの声が上がりました。 道徳の定番教材は「手品師」「かぼちゃのつる」などいくつもありますが、消えたのは「星野君」だけ。 やはり、日大アメフト部の悪質タックル問