ソニーとパナ統合のJOLED、民事再生法申請 2工場は閉鎖へ
伊沢健司 今泉奏
ソニーグループとパナソニックホールディングスの有機EL事業を統合したJOLED(ジェイオーレッド)は27日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てたと発表した。負債総額は337億円。技術開発部門は液晶大手のジャパンディスプレイ(JDI)に引き継がれるが、製造拠点の2工場は閉じる方針だ。
JOLEDは、ソニーやパナソニックが大型テレビ向けの有機ELの事業から事実上撤退したことを受け、官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)などの出資で2015年に設立された。
有機物を基盤に塗る「印刷方式」と呼ばれる技術を世界で初めて導入し、17年から出荷を始めた。医療用や車載用などのディスプレーを生産してきたが、量産化までに時間がかかり、価格競争にも苦戦。設立から最終赤字が続き、22年3月期は売上高56億円、純損失239億円となり、債務超過に陥った。
JOLEDによると、従業員…
- 【視点】
官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)は、JOLEDに数次にわたって「公的資金」を投じる支援を重ねてきました。その累計額は約1390億円。うち出資が約1190億円、融資が200億円にのぼります。 JOLEDに対するINCJの出資比率は