来春からの小学校教科書、各教科の特徴は 道徳は全学年でいじめ問題

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 来春から使われる小学校教科書の検定結果が28日、公表された。SDGsやSNSとの付き合い方に触れた記述が目立ち、デジタル資料をより充実させる教科書も多かった。各教科はどう変わるのか、主な特徴を紹介する。

道徳 SNSでのトラブル、どうすれば?

 3回目の検定となった小学校の道徳では、前回より2社少ない6社が申請し、合格した。全社が全学年でいじめ問題を取り上げた。今回はネットいじめに関する記述が目立った。

 Gakkenは5年で「ひみつのグループトーク」という教材を扱った。同級生同士で始めたSNSのグループチャットで、グループに入っている子が入っていない子について「調子に乗っていやな感じ」などと悪口を言う。主人公は同調してしまい、悩んでしまうという内容だ。光文書院も4年で、友人間で1人を除いて展開されるグループトークについての読み物を載せた。「特定の人を、本人に分からないように仲間外れにしてしまうこともできる」と、情報モラルについて考えさせている。

 教育出版は5年で、SNS上での匿名の誹謗(ひぼう)中傷を扱った。友人とのトラブルをきっかけに、主人公には匿名の悪口メッセージが届くようになる。ブロックしてもアカウントを変えられて解決せず、悩んでしまう――といった内容だ。問題解決手段として、電話やチャット形式でのSNSの相談窓口を記載する。

 いじめについてのコラムを充実させる出版社も多かった。

 東京書籍は3年で、嫌なことを言われた時にできることを紹介。誰かに相談したり相手に気持ちを伝えたりすることを示し、「『いやだな。』という自分の気もちは、大切にしましょう」と結んだ。光村図書は6年で、いじめ体験をもとにした、タレントの中川翔子さんからのメッセージを載せた。

 教育出版は2年のコラムで、何げない言葉が誰かを傷つけてしまうケースを例示した。担当者は「軽はずみな言葉や言動がいじめにつながってしまう、ということを早いうちから考えてほしい」と狙いを語る。

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