英国防省は25日、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムートをめぐり、ロシア軍の「極端な消耗」などでロシア軍の攻撃が「ほぼ停滞している」との戦況分析を公表しました。大勢のロシア軍兵士が命を落としているようです。陸自幹部学校戦略教官室長を務めた鈴来(すずき)洋志・元陸将補は、国や国民の意識、時代によって兵士の命に対する考え方が異なると指摘します。
――バフムートでは、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」も多数の死傷者を出しているようです。
ワグネルの場合、国家や軍隊への忠誠心ではなく、契約で働いています。歴史的にみて、傭兵(ようへい)が「割に合わない」と判断した場合に逃げ出したケースも多数あります。ワグネルは兵士の逃亡を許さず、「第1陣が倒れたら、第2陣が1陣の兵士の武器を取って戦う」という戦い方をしているようです。
ワグネルを巡る報道を見聞しながら、朝鮮戦争(1950~53年)当時、「2人で手投げ弾1個」という状況で、人海戦術をとった中国義勇軍の姿を思い出しました。まったく人命を軽視した戦い方と言えるでしょう。
――ロシアは第2次世界大戦当時も2千万人以上の死者を出しました。
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