役所の屋上にソーラー導入、環境省が手引き 方式ごと長所や短所解説
公共施設の屋上などを使って太陽光発電を始める際の手引を、環境省がつくった。財政状況や設置場所、使い道などに合わせて、おすすめの手法を紹介する。自治体の脱炭素や災害時への備えなどに役立てててもらうのが狙いだ。
国の工程表では、太陽光発電の設備を設置できる自治体の庁舎などへの導入目標は、2030年に50%、40年に100%。温室効果ガスの削減につながるとともに、災害時には自立した電源としても使える。エネルギーの地産地消となって地域経済への好影響も期待できるという。
ただ、「屋上への太陽光発電設備の設置」と言っても、自ら所有権を持つのか、事業者などの第三者が所有権を持ち、自治体は場所を貸すのかといった違いがある。それぞれに長所や短所があり、効果が発揮できる条件も変わってくる。
今回の手引ではこうした違いを紹介した上で、特に第三者が設備を設置し、所有する形での導入について説明した。
発電した電気を、自治体側が使用量に応じた電気料金を払って使う「PPA」▽自治体側がリース料を払うことで発電した電気を自由に使うことができる「リース」▽自治体側が庁舎の屋上などを貸して賃貸料などを得る「屋根貸し」――という三つの導入パターンに分けて事例も引きつつ解説している。導入までのスケジュールの目安や、よく寄せられる質問なども掲載した。
初期投資やメンテナンスに不安を抱える場合、たとえば第三者所有ならこれらの問題をクリアできるかもしれない。環境省の担当者は「それぞれの特徴を参考にしてもらい、導入につなげていただければありがたい」と話している。
問い合わせは、環境省地域脱炭素政策調整担当参事官室(03・6205・8279)か、各地方環境事務所まで。(小坪遊)
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