励みになった先生との交換日記 いじめ、摂食障害…23歳女性の夢
こども家庭庁が4月1日に発足します。複数の官庁で担っていた政策分野をまとめ、問題解決に力を入れるのがねらいです。困難を抱えやすく、大人の手助けがより必要な若者たちへの支援も重要なテーマです。どうしていくべきでしょうか。現場を取材しました。
「私のお姉ちゃん」
満開の桜の下、広げたブルーシート。みんなで買い出したフライドチキン、ピザ、ドーナツを並べた。24日、東京都渋谷区の代々木公園。20代の若者たちがトランプをしながら花見を楽しんでいた。
それぞれが親元を離れ、児童養護施設などで育った。こうした若者を「ユース」と呼んで支援しているNPO法人「夢の宝箱」(本部・横浜市)の相談員、西彩菜さん(23)がそばで見守っていた。
「私にとっては、お姉ちゃん。変わらない『居場所』でいてくれる」
ユースの女性(20)は西さんのことをそう語った。大人は信用できないという固定観念があったという女性。年齢も近く、自分と向き合ってくれると感じる西さんとの出会いで、根強い不信感は少しずつ解けていったという。
頼れる人がいないことで……
保護者がいなかったり、折り合いが悪かったりして施設を退所した後、頼れる実家や大人が身近にいない――。個人の努力では動かしようのない状況は、児童養護施設のような「社会的養護」で育った若者に色々な問題を引き起こす。
花見は、このNPOが若者た…

こぼれ落ちる子どもたち
虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[もっと見る]