「サントリー生」発売、ビールの新定番めざす ザ・モルツの缶は終了

山下裕志
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 サントリーは28日、新たな定番ビールをめざして「サントリー生ビール」を4月4日に売り出すと発表した。この秋にも控える酒税の減税で値頃感が高まり、ビール回帰が進んでいる。高価格帯の「ザ・プレミアム・モルツ」に加え、顧客層の広い中価格帯の商品をそろえて新たな柱に育てる考えだ。

 同社の調査によると、350ミリリットル缶のビールを飲むのにかける時間は2018年の約12分から、コロナ禍を経て昨年は約18分に延びた。在宅勤務が定着し、食事をしながら飲む傾向が強まったとみる。これをふまえ、一口目にビールらしい飲みごたえがありつつ、爽快感が飲み終わりまで続くようにした、とアピールする。

 まずは缶で売り出し、コンビニの店頭では350ミリリットルで税込み218円程度を想定する。同じ中価格帯には「スーパードライ」(アサヒ)や「一番搾り」(キリン)、「黒ラベル」(サッポロ)など各社の看板商品がひしめき、「簡単な戦いではない」(サントリーの西田英一郎・ビールカンパニー社長)。

 今月29日~5月7日には東京、名古屋、新大阪の各駅の新幹線ホームに販売店舗を設けるなど販売促進に力を入れる。

 一方、同じ中価格帯で15年に出した「ザ・モルツ」は、缶の製造を3月で終えて販売をやめる。飲食店向けには提供を続ける。(山下裕志)

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