選抜高校野球、8強が出そろう 関東勢が4校、公立校は姿消す

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 第95回記念選抜高校野球大会は28日、兵庫県西宮市阪神甲子園球場で第9日の3回戦4試合があり、8強が出そろった。

 作新学院(栃木)、山梨学院、専大松戸(千葉)、東海大菅生(東京)と関東勢が4校を占めた。8強の半数を関東勢が占めるのは、2012年の第84回大会の健大高崎(群馬)、浦和学院(埼玉)、横浜(神奈川)、関東第一(東京)以来、11年ぶり。

 昨年4校が入った近畿勢は大阪桐蔭、報徳学園(兵庫)の2校にとどまった。広陵(広島)は中国勢として13年ぶり、仙台育英(宮城)は東北勢として2年ぶりの8強入り。

 九州勢は沖縄尚学が敗退し8年ぶりに8強に入れなかった。

 また能代松陽(秋田)が敗れ公立勢8校もすべて姿を消した。

29日の準々決勝の見どころを紹介

《栃木・作新学院―山梨学院 午前8時半》

 選手の疲労度を考えると、3回戦から中3日で準々決勝が3試合目となる作新学院がやや優位か。開幕試合に登場した山梨学院は中1日で4試合目となる。

 作新学院は2試合で計17得点と打線が活発。上位から下位まで切れ目なく安打が出ている。3回戦の英明(香川)戦では逆転された直後の九回に武藤匠海が逆転2点本塁打を放って激戦を制し、勢いにも乗っている。

 山梨学院はエース右腕林謙吾の安定感が光る。3試合、計25イニング余りを投げて3点しか失っていない。ただ投球数は340と疲労も心配される。打線は1回戦から順に3、4、7得点と徐々につながりがよくなっている。作新学院の小刻みな継投に惑わされることなく、早めに援護したい。

《千葉・専大松戸―広島・広陵 午前11時》

 強打の広陵に大会屈指の好右腕・平野大地を擁する専大松戸が挑む構図だ。

 広陵は初戦の2回戦で12安打5得点、3回戦が9安打3得点。大量点を奪えているわけではないが、大会注目の強打者、3番の真鍋慧(けいた)に加え、4番小林隼翔(はやか)も打率4割超と中心打者が好調だ。

 2年生のエース右腕・高尾響が155球を投じて完投した3回戦からは中1日。左腕倉重聡らとの継投も一つの鍵になりそうだ。

 専大松戸の平野は2回戦で完封し、3回戦は4失点で完投した。球威だけでなく投球術もさすがだ。ただ3回戦で134球を投じている点は気がかり。長身左腕の渡辺翼、右横手投げの青野流果(るか)らの起用も視野に入れながら、ロースコアの展開に持ち込みたい。

《大阪桐蔭―東京・東海大菅生 午後1時半》

 優勝候補筆頭と目される大阪桐蔭に分があるように思えるが、東海大菅生にも勝機は十分ある。

 東海大菅生のエース日當(ひなた)直喜は身長190センチの本格派右腕。長身から投げ下ろす直球と落差の大きいフォークのコンビネーションで、3回戦では出場36校でチーム打率トップの沖縄尚学打線を被安打6で完封した。

 対する大阪桐蔭は打線の調子が上がらない。初戦の2回戦は3得点にとどまり、3回戦では能代松陽(秋田)の好右腕に2安打に抑えこまれた。

 世代屈指の左腕前田悠伍は難敵だが、日當が踏ん張ってロースコアの展開に持ち込めば、焦りを誘える。

《兵庫・報徳学園―宮城・仙台育英 午後4時》

 報徳学園が、層の厚い仙台育英投手陣を崩せるかがポイントだ。

 仙台育英は今大会でも得意の継投を駆使して、2試合で2点しか失っていない。初戦の2回戦では昨夏の全国制覇に貢献した仁田陽翔、高橋煌稀、湯田統真、の3人を、3回戦は湯田、田中優飛、佐々木広太郎の3人をつないだ。

 報徳学園はここまでの2試合で26安打と打線が活発だが、仙台育英投手陣から大量点を奪うのは簡単ではないだろう。1番岩本聖冬生(いぶき)、2番山増達也らが好機をつくり、勝負強い3番堀柊那(しゅうな)、4番石野蓮授(れんじゅ)の打撃にかけたい。

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