「条例違反認識しながら強引に事業」 小樽市が前市長に賠償求め提訴

鈴木剛志
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 北海道小樽市が観光船事業者に損害賠償など約6553万円を支払ったのは、森井秀明前市長が「条例違反を認識しながら強引に事業を推進したため」だとして、市は27日、国家賠償法に基づいて森井氏に全額の支払いを求める訴えを札幌地裁に起こした。

 市によると、森井氏の市長時代、市は森井氏の後援会顧問だった事業者に対して高島漁港区での事業を許可した。だが、市が2018年に許可を取り消すと事業者は施設撤去費用などを求めて提訴。札幌地裁は21年に約5600万円の賠償を市に命じ、市は遅延損害金を含めた6553万円余りを支払った。

 市は昨年6月以降、森井氏に支払いを請求。森井氏が応じなかった場合、今年度内に提訴する方針を昨年11月に明らかにしていた。

 迫俊哉市長は「前市長が強引に推し進めた結果、市に多額の損害を与えた。訴訟を通じて故意または重大な過失があったことを主張する」とのコメントを出した。(鈴木剛志)

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