企業の壁をキャンバスに色とりどりに描いた思い 福岡雙葉高美術部

前田伸也
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 福岡雙葉高校(福岡市中央区)の美術部の生徒たちが、校外活動として、化粧品メーカー「ルナレーナ」(同市早良区)の壁画制作に挑戦している。

 テーマは「開放」。少女が色彩豊かな風船を放つデザインを考案したのが高校2年の赤星愛奈さん(17)と居細工心羽さん(17)。

 赤星さんは「新型コロナウイルスの影響で、部活動だけでなく、日常生活までもが制限されてきた」と振り返る。「この期間は、社会が縮こまったように思っていた。だから、風船が自由に飛び立つ様子を表現したかった」

 居細工さんは「赤、青、黄の三原色を中心に、ピンクや緑といった色を絡めることで、この先の社会の明るさを伝えたかった」と話す。

 壁は、縦1・6メートル、横13・2メートルある。生徒たちにとって、大きなデザインを施すことは初めてのことだ。ペンキで風船や少女を描き、白いスプレーで風船の光沢をつくり、立体的な作品となっている。

 生徒たちの大作は29日に仕上がる予定だ。壁を提供した、社長の脇黒丸新さん(62)は「マスクを外し、化粧をして街を歩きたい人たちの思いを描いているようだ」と、満足そうに眺めていた。(前田伸也)

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