スーチー氏率いるNLD、政党資格失う ミャンマー国軍に追い込まれ

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ヤンゴン=福山亜希
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 2021年のクーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで28日、民主化指導者のアウンサンスーチー氏が率いる政党「国民民主連盟」(NLD)が政党資格を失うことが決まった。国軍は同日までに政党登録の申請がない場合、資格を抹消するとしていたが、国軍主導の手続きをNLD側が拒否した形だ。

 国営放送は28日夜、政党登録を申請しなかったNLDなど約40政党の名を読み上げ、「29日から政党資格を失う」とした。選挙管理委員会の幹部もそれに先立ち、NLDが期限内に申請しなかったことを取材に明らかにし、NLD幹部も申請しなかったことを認めた。この幹部は以前に「国軍が定めた法律には従わない」と述べていた。国軍主導で選挙が行われても真の民主化への道筋は見えないうえ、政党登録の要件自体も厳しく、国軍側が事実上、NLDを追い込んだ形だ。ミャンマーの民主化運動の受け皿となってきた政党が姿を消すことになる。

 NLDはかつての軍政下で民主化運動が起きた1988年に結党され、民政移管後の2015年の総選挙で圧勝。スーチー氏は国家顧問として国の事実上のトップに立ち、20年の総選挙も圧勝した。

 だが、国軍はこの選挙に不正…

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