ドイツオペラ界の星と呼ばれた男性 東京でバッハ最高傑作に挑む理由
武田遼
音楽の父と称されるバッハが残した最高傑作「マタイ受難曲」が4月16日、東京都内で上演される。指揮は、かつて「ドイツオペラ界の星」と呼ばれ、1996年のベルリン・フィル日本公演では「第九」のソリストを担った声楽家のウーヴェ・ハイルマンさん(62)。現在は日本在住で、新たに立ち上げた都内在住の団員らとつくる合唱団とともに、名曲に挑む。
今月26日に八王子市内のホールであった練習。オーケストラと合唱団が、初めて顔を合わせた。熱気に包まれる中、普段は日本語でコミュニケーションを取るハイルマンさんの指導は徐々に熱を帯び、「Look at me!」などと、英語で身ぶりを交えて教える場面も。指導は約7時間に及んだ。
約300年前に誕生した同曲は、新約聖書の「マタイによる福音書」を元に、イエス・キリストが十字架で処刑される受難の物語が描かれる。イエスや弟子などの役を23人のソロ歌手らが担う。歌詞は全てドイツ語だ。
ハイルマンさんはドイツ出身…