米国政府は28日、米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)に基づく核戦力のデータ共有を停止すると明らかにした。ロシアが同条約の履行停止を一方的に宣言し、データ交換の義務を果たしていないことを受けた対応だという。
米国務省のパテル副報道官はこの日の記者会見で、米国はデータ交換の継続を申し入れたが、ロシア側は応じないことを通告してきたと説明。「条約の履行停止は法的に無効であり、データ交換をしないのは条約違反だ」とし、米国の今回の対応は「ロシアが再び条約を順守するよう促すことを意図した合法的な対抗措置」だと説明した。
新STARTは米ロ間に唯一残る核軍縮条約で、バイデン政権が発足した2021年に5年間延長された。射程の長いミサイルや核弾頭などの数量を制限するほか、相互の現地視察や、配備された核弾頭数など包括的なデータを半年ごとに交換することなどを定めている。
米側は条約にとどまる意向で…

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