甲斐犬など104匹、劣悪環境に 元ブリーダーにネグレクト容疑
国の天然記念物に指定されている甲斐犬(かいけん)とシバイヌ計10匹を劣悪な環境で飼育して衰弱させたなどとして、警視庁は元ブリーダーの尾川隆容疑者(46)=東京都八王子市片倉町=を動物愛護法違反(虐待など)の容疑で逮捕し、29日発表した。容疑を認めているという。
2019年に改正された動愛法は、著しく狭い環境で動物を飼い、衰弱させることを新たに「ネグレクト」として虐待の一種と位置づけた。警視庁は尾川容疑者の飼育場を1月に家宅捜索し、小さなケージに押し込まれるなど劣悪な環境に置かれている104匹を確認。うち10匹は著しく衰弱しており、ネグレクトに当たると判断して容疑の対象とした。
保安課によると、尾川容疑者の逮捕容疑は昨年12月~今年1月、東京都八王子市の飼育場で飼育していた甲斐犬やシバイヌに対し、飼育スペースの確保やエサやりなどをしていないとして都から改善命令を受けたのに必要な措置を講じず、その状態のまま虐待したというもの。都が1月に警視庁へ刑事告発していた。
尾川容疑者は2月、朝日新聞の取材に対し、「(飼育)環境はちゃんとしているし、餌もあるので問題ない」と話していた。(御船紗子、大山稜)
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- 【視点】
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