ピーナツバター製造続けながら市議に シングルマザー議員が見た政治
「議長」。2月24日、千葉県八街市議会の3月定例会本会議で、市議の木村由希子さん(46)が手を挙げて立ち上がった。市議になって2回目の一般質問。緊張で、心臓がドキドキしていた。
「きっかけは、ママ友農家の切実なお話でした。昨年収穫した落花生が予想の半分以下の取引価格で落ち込んでいました」
心を落ち着けながら、質問を始めた。地元の特産品が、出荷時期によって極端に低価格で買い取られている現状を語り、市長に認識を問うた。次の質問に移るとき、挙手すべきかわからず、脇を締めて胸元で小さく手を挙げた。本会議の後、議長から大きく挙げるよう指摘された。
1人で車内で昼食、反省の日々
地方議会は私たちの身近にあり、暮らしにも密接につながっている。昨年末に当選したばかりの新人議員2人に密着し、日々何をして、何を考えているのかのぞいてみた。
昨年11月の市議補選(被選挙数2)で初当選した。無所属無会派。初めて臨んだ昨年12月の定例議会では、会期の前、質問を事前に教えてほしいと議会事務局から言われ、驚いた。大半の議会では事前に質問を首長側に通告し、答弁が準備されるのが一般的になっている。だが、木村さんは「ぶっつけ本番」で質疑が交わされるものと思っていた。
「なんだこりゃ、と。あらか…

統一地方選挙・衆参補選2023年
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