高学歴で、高い賃金を得ているホワイトカラーの仕事ほど最新の人工知能(AI)技術の影響を受けやすい――。対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIなどが、そんな論文を公表した。米国の労働者の約19%が、業務の半分以上をより短い時間でこなせるようになるとも指摘。AIの開発が仕事にどう影響していくかが注目される。
論文は今月、オープンAIや米ペンシルベニア大などの研究者が連名で公表した。チャットGPTなど文章や画像などを生成するAIは、ネット上の膨大なデータを集めて訓練する「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれる技術が使われている。今回の論文は、LLMなどの技術によって、従来の業務にかかる時間がどの程度減らせるかに着目した。与える影響については「労働者を増やすか、置き換えるかの違いは考慮しない」としている。
論文では、米国の労働者の約8割が、業務の1割で影響を受けると指摘。「LLMは多目的な技術の性質を持っており、経済、社会、政策面で相当な影響を与えうる」とした。
また、科学やクリティカルシンキング(批判的思考)などの能力はAIの影響を受けにくいものの、プログラミングやライティング能力は影響を受けやすいと分析。業種別では、会計士、数学者、通訳、記者などの職種がAIの影響を受けやすい一方、調理師や皿洗いなどの業種は影響を受けにくいとの見方を示した。
チャットGPTなどの生成AIは、文書やイラストの作成など幅広い業務の効率化につながると期待される半面、雇用への悪影響への懸念も出ている。(サンフランシスコ=五十嵐大介)
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- 【視点】
ChatGPTとDeepl翻訳、さらにスマホの音声入力、ものすごく頻繁に使っています。私のケースで特に猛威を発揮しているのが、英語や中国語など外国語での連絡です。 自分の外国語能力の低さを告白して恥ずかしい話ですが、短いやりとりは「直