「舞いあがれ!」のメッセージ伝わった?地道にコツコツ、その先に

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聞き手 編集委員・中島隆=東大阪支局長
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 NHKの連続テレビ小説舞いあがれ!」が31日で終わりました。

 ものづくりの町である大阪府東大阪市に生きるヒロインの成長のストーリーでした。空を飛ぶ夢をいだいてパイロットを目指しますが、リーマン・ショックでかなわず、しかも、家業のネジ工場が経営危機をむかえたなかで社長だった父親が急死。母が後を継ぎますが、廃業を考えたり、社員のリストラを決断したり……。

 NHKの熊野律時(のりとき)チーフ・プロデューサーに、今なぜ「舞いあがれ!」だったのかなどを聞きました。

向かい風があるからこそ

 ――いつごろ企画が持ち上がったのでしょうか?

 「3年前、脚本を担当した桑原亮子さんと、どんな朝ドラにするかを相談し始めました。新型コロナウイルスの感染が拡大したことで飛行機が飛ばなくなる世の中がくるなんて想像しませんでした。空を飛んでどこへも行けるというのは実はすごいことなのだと改めて感じました」

 「飛行機も、長崎・五島のバラモン凧(だこ)も、向かい風があるからこそ舞いあがる。向かい風を人生に位置づけると、逆境です。空を目指すヒロインが逆境を乗り越えていく、それは、いまドラマにする価値があるとなったのです」

 ――ヒロインは東大阪出身、という設定にした理由は?

 「飛行機はたくさんの数の部品でできています。その部品の向こうには、つくっている職人さんがいる。職人それぞれに思いがある。それらが集まって、飛行機ができる。ものづくりと空を飛ぶことが結びつくぞ、となりました。関西でものづくりと言えば、東大阪ですよね」

父親の死、「きちんと」描いた理由

 ――東大阪を丁寧に取材したそうですね。

 「たとえばネジ工場で、社長…

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