アイドルが「ダイエット義務果たさず」 賠償求めた芸能事務所が敗訴

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田中恭太
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 芸能事務所にマネジメント契約の解除を申し入れたアイドルグループの元メンバー4人に対し、事務所が解除の無効確認や約1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁(布施雄士裁判官)であった。判決は「契約からの離脱を保証すべきだ」として解除は有効と認定し、事務所の請求をいずれも棄却した。

 訴訟を起こされていたのは「SKY GIRLS’」(スカイガールズ)の元メンバー4人。いずれも日本人で、2019年10月に東京都内の事務所と契約を結び、翌11月には韓国でシングル曲を発売してデビューした。

 だが、事務所の代表の対応に不満が募り、今後の活動に不安を抱くようになって20年7月に契約解消を求めた。話し合いが持たれたが折り合えず、同年10月に契約解消を求める内容証明郵便を送った。

 その後、事務所側は、4人の活動拒否によって、準備中だった新シングル曲やミュージックビデオの製作費が無駄になるなどの損害が生じたとして、賠償を求める訴訟を起こした。

 元メンバー側は訴訟で、マネジメント契約は「労働契約に該当する」と主張。「有期労働契約では働き始めて1年以上経過したらいつでも退職を申し出られる」と定めた労働基準法付則に基づき、契約は事実上解除されており、活動拒否による賠償責任も負わないと反論した。

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 判決は、契約については、契約書の収益分配に関する条項などを踏まえ、「労働契約との評価は困難」と判断した。

 一方、契約期間が「10年」…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2023年3月30日7時59分 投稿
    【視点】

    「フェミニズム革命とそれによってもたらされた衣服によって、女性たちが教わったことは、わたしたちの肉体は自然なままで愛や称賛に値する、ということである」。フェミニズム理論家のベル・フックスの言葉です。アイドルが過剰なダイエットによって痩身を実