「正義」は世界を救えるか 壮大な問いに高校生たちが出した答えとは

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植松佳香
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 「正義」は世界を救えるか――。

 そんな壮大な問いについて高校生が3日間考え、議論する合宿イベントが3月末、東京都内の一橋大学で開かれた。ロシアによるウクライナ侵攻など、複雑な問題がいくつも存在する国際社会の状況をふまえ、全国から集まった高校生たちはどんな「答え」を導き出したのか。

 イベントは、一橋大法学部の秋山信将教授(国際政治学)が主催するゼミが企画した。参加者は小論文などによる選考を経て、全国各地から選ばれた25人の高校生。日程の前半で国連や国際法などに関する講義を受け、後半では五つに分かれた班ごとに、ゼミ生の助言を受けながら議論を深めて「答え」を発表した。

 「世界を救うって何だろう? 戦争をなくす、世界秩序の構築のことを言うんじゃないかな」

 「一人一人の権利が守られることとか?」

 「正義って、誰のための正義なんだろう?」

 愛知県から参加した南山高校女子部2年の小橋理央さん(17)の班では、テーマに沿った問いの立て方から議論が白熱した。

 小橋さんはジェンダーの問題に関心があり、2021年夏から昨夏までフィンランドに留学していた。留学を通じて様々な国の友だちに出会い、国同士の関係に興味を持ったことで、国際政治にも関心が広がったという。

 班では「正義が世界を救う」ということを、「多様性の向上が、互いの意見を尊重し合う社会を実現する」と再定義したうえで、議論を展開した。

 そして出した「答え」はこうなった。

 「『正義』は世界を救えない…

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