「ベビーカーに乳児を乗せて電車に乗ったら、舌打ちされた」「子どもが少し騒いだら、周囲からにらまれた」。日本での子育てをめぐっては、そんな体験談に事欠きません。
一方、先進国でありながら、女性が平均して3人の子どもを産むイスラエルでは、子連れが肩身の狭い思いをすることはまれです。
しかし、イスラエルの社会学者オルナ・ドーナトさんは、自国を含め世界中の母親たちが共通して感じている「息苦しさ」があると話します。
どういうことなのでしょうか。「母になったことを後悔」している人たちの研究を通して見えてきたものとは何なのでしょうか。ドーナトさんに、オンラインでインタビューしました。
ドーナトさんは、出生率が高いイスラエルの社会に疑問を投げかけます。記事後半では、自身の著書の反響が世界に広がったいきさつや、女性にとって本当に幸せな社会に必要なことについて語ります。
高い出生率の影に「死の恐怖」
――イスラエルでは、レストランなどで子どもが騒いでいてもめったに注意されません。子連れの親が社会に受け入れられていて、例えるなら「子どもが王様の国」という印象を受けます。
「子どもが王様」というのは…
- 【視点】
子どもを産むことが時に社会や国家からの圧力になってしまう、それは日本でも起こりかねない(むしろ起きている)事態です。 子どもを産み育てる選択は個人がすべきものであり、社会がすることではありません。これは当たり前の前提であるはずですが、少子
- 【視点】
男性の息苦しさについても想像しながらじっくり読みたい記事だ。不安定な雇用が男性の結婚に影響を与えていることを思いつつ、以下のように読み替えてみたりして。 …「(一人前の)男性であること」が「結婚して家庭をもつこと」と同一視されてしまう。結