軍事会社ワグネル、戦闘員の募集を拡大 巨大広告やスポーツジムでも
ウクライナ侵攻で存在感を増すロシアの民間軍事会社ワグネルが戦闘員を募集する巨大な広告が今月、モスクワの電光掲示板に登場した。これまで刑務所などで募集してきたが、損害の拡大で、人口が多い大都市でも積極的な宣伝に乗り出した形だ。全国のスポーツジムでも募集を始めており、5月半ばまでに3万人を集める方針だ。
「勝利者の部隊に入れ」「ともに我々は勝利する」
ワグネルの巨大広告が現れたのはモスクワ北東部のオフィスビルに掲げられた電光掲示板だ。ほかの広告とともに順番に映される。
勧誘の言葉とともに電話番号や募集サイトのURLを表示。背後に描かれた銃を持つ黒い服の戦闘員は目が赤く光り、不気味だ。横のマークには「民間軍事会社ワグネル」「勇気」「血」と書かれている。
ワグネルは今月に入り、戦闘員の勧誘を急速に拡大している。ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は10日、モスクワを含む全国42都市に戦闘員の受付窓口を設けると表明。格闘技系のスポーツジムなどを拠点としている。
18日には、5月半ばまでに3万人の戦闘員を増やす考えを示した。
ワグネルはこれまで、戦闘参加後の恩赦を条件に刑務所内で受刑者を募集するなど、超法規的な手法も使って戦闘員を集めてきた。
ただ、現在はウクライナ東部ドネツク州の要所バフムートに攻勢をかけている。周辺の集落を攻略したと主張する一方、戦闘員などに大きな損害を受けているとの見方が強い。
戦闘員の補充が急務となっている可能性が高いが、2月には刑務所内での募集を停止したと明らかにした。ロシア国防省との対立が背景にあるとも指摘されている。
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