児童養護施設の受験生に20万円 JASSOが大学受験費用を支援へ

山本知佳
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 日本学生支援機構(JASSO)は29日、児童養護施設などで生活する受験生が大学などを受験する際、受験費用を支援する制度を新たに始めると発表した。年2千人程度の利用を想定しているという。

 機構によると、対象は、児童養護施設や児童自立支援施設、里親などの元で生活し、来年3月末に高校などを卒業予定、または卒業2年以内の受験生。申請時に就職先が決まっていないことが条件だ。

 受験料や交通費、宿泊費などとして、1人あたり年20万円を支援する。在籍している施設や養育者を通じて申請するという。募集開始は5月の見込み。

 経済的に困窮した学生の就学支援としては、授業料や入学金の減免と、給付型奨学金を受けられる国の就学支援新制度などがある。しかし機構の担当者は「進学後の支援はあっても、進学するための支援は少ない」と話す。児童養護施設などで育つ高校生らは、受験費用を用意するためアルバイトをしながら準備し、受験校数も絞らなければいけない現状があるという。

 厚生労働省の2020年の調査では、児童養護施設出身の生徒の進学率は33・0%。高校卒業者の進学率が7割を超えているのと比べると、半分以下となっている。(山本知佳)

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