ひばりや裕次郎と「思いっきり遊びます」 奈良岡さん、旅立ちの言葉

 23日に93歳で亡くなった、劇団民芸代表で俳優の奈良岡朋子さんは、生前、メッセージをのこしていた。同劇団が29日に公表した。全文は次の通り。

     ◇

 新たな旅が始まりました。旅好きの私のことです、未知の世界への旅立ちは何やら心が弾みます。

 向こうへ着いたらすぐに宇野さんを訪ねます。もう一度あの厳しい演出を受けたいと長い間願ってきました。でもね、宇野さん、私はあなたよりずっと長く生きて経験を積んできましたからね、昔のデコじゃないですよ。「デコ、お前ちっとましになったな」と言われたくてこれまで頑張ってきたんですから。腕が鳴ります。杉村先生とももう一度同じ舞台を踏みたかった。どんな役でもいいからご一緒したい。ワクワクします。

 両親に挨拶(あいさつ)するのは二、三本舞台をやって少し落ち着いてからにします。それからは裕ちゃんや和枝さんと思いっきり遊びます。

 これが別れではないですよ。いつかはまたお会いできますからね。

 それでは一足お先に失礼します。皆さまはどうぞごゆっくり…

奈良岡朋子

(注)宇野さん:宇野重吉さん、デコ:奈良岡さんの愛称、杉村先生:文学座杉村春子さん、裕ちゃん:石原裕次郎さん、和枝さん:美空ひばりさん

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