船頭が落水、十数秒で岩に衝突 保津川下り事故、遊船組合が状況説明
光墨祥吾 富永鈴香 徳永猛城
京都の観光名物「保津川下り」で、29人乗りの船が転覆し、船頭の男性(51)が死亡した事故で、運航する保津川遊船企業組合(京都府亀岡市)は29日、記者会見を開き、船の一番後ろで操縦する「かじ」担当の船頭が落水したことが事故につながったとの見方を示した。
事故は28日午前11時ごろに起きた。会見での組合の説明によると、船には乗客25人と船頭4人が乗っていた。船頭が船の後ろにある「かじ」を空振り。水をかかず、バランスを崩して川に落水した。その後、船が岩にぶつかって転覆した。
先頭で「さお」を持っていた船頭の田中三郎さんが死亡。「かじ」を取ろうと後方に向かった「かい」担当の船頭の男性(40)が行方不明になった。
組合が乗船していた船頭らから聞き取ったところ、「かじ」担当の船頭が落水してから岩に衝突するまでは十数秒。落水後、行方不明となった船頭が「かじ」を取りに行ったが、船は直進するところを次第に左にそれ、岩に激突したという。
「お客様に怖い思い、心からおわび」
田中さんは岩に激突した衝撃…