トルコ語話せる警察官求む! トルコ人の3割が住む埼玉
埼玉県警が2023年度の採用試験でトルコ語を話せる警察官を募集中だ。「国際捜査1類」と呼ばれる専門職で、警察学校と警察署で基礎を身につけ、県警本部の専門部署に配属される。採用予定は2人。県内のトルコ人は都道府県別で最多の約2千人で、事件・事故の関係者になることも多い。県警は捜査はもちろん、日本の法令を伝える取り組みを通じた犯罪抑止対策も強化したい考えだ。
法務省によると、昨年6月時点で国内に在留するトルコ人は約6千人で、このうち1948人が埼玉に居住していた。一方で、県警の警察官でトルコ語を話せるのはわずか3人。民間の通訳を13人登録して協力してもらっているが、通訳の必要な事案は昨年だけで378件あった。内容別では、事件・事故の聴取343件、文書の翻訳23件、職場や近隣トラブルの相談6件、落とし物などの受理4件、道案内2件だった。
民間の通訳には、1時間あたり7860円(深夜は9780円)の報酬が支払われる。ただ、事件の容疑者・被害者とのやりとりや守秘義務を課されることに負担を感じる人もいる。発生が昼夜を問わないため、事件・事故が発生してもすぐに対応できる人が見つからない場合もあるという。
こうした背景で、県警は今回の採用が必要だと判断した。受験資格は大学卒業相当の資格を持つ35歳未満で、申し込みの締め切りは4月7日。担当者は「地域の安心安全を守るために語学力を生かしてほしい」と話す。問い合わせは県警採用センター(0120・373514)へ。(仁村秀一)
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