仙台育英「弟ズ」打線、課題は長打力 主将はレベルアップを誓った
(29日、第95回記念選抜高校野球大会準々決勝 兵庫・報徳学園5―4宮城・仙台育英)
仙台育英は昨夏王者の底力を見せたが、池田(徳島)以来となる40年ぶり5校目の夏春連覇には届かなかった。
全国制覇メンバーが7人残ったチーム。大会随一といわれた投手陣の層の厚さはさすがだった。
先発の左腕仁田陽翔(はると)が二回途中でつかまったが、ともに甲子園経験が豊富な右腕の高橋煌稀(こうき)、湯田統真が粘り、味方の九回2死からの同点劇を呼び込んだ。
昨秋の明治神宮大会準々決勝、沖縄尚学戦でも九回に4点差をひっくり返して逆転勝ち。主将の山田脩也は「経験があったから焦りはなかった」という。
ただ、昨秋のチーム打率が2割台だった攻撃力が泣きどころになった。この日の8安打は全て単打。3試合の計28安打のうち長打は1本のみだった。同点適時打の4番斎藤陽は目を赤くした。「投手におんぶにだっこになっていた」「身の丈に合った打撃だけど長打力は物足りない」
兄や姉がいる選手が多く、のんびり屋のチームを須江航監督は「弟ズ」と称する。この悔しさが、「弟」たちをさらに強くするはずだ。4人きょうだいの末っ子、主将の山田は前を向いて言った。「夏に必ずレベルアップして戻ってくる」(安藤仙一朗)
●須江航監督(仙) 「選手は持っているものを出し切った。よくやった。負け方としては次、がんばりたいと思える負け方です」
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