「温暖化対策の国の義務とは」 島国主導、国連で司法見解求める決議

有料記事気候変動を考える

ワシントン=合田禄
[PR]

 地球温暖化対策に国はどのような法的義務を負うか、国際司法裁判所(ICJ)が見解を示すことになった。国連総会は29日、ICJに勧告的意見を出すよう求める決議を全会一致で採択した。ICJの意見が、各国の対策を加速させる可能性もある。

 決議は、海面上昇など気候変動の影響を強く受ける太平洋の島国バヌアツが主導。共同提案国は、最終的に日本を含む130カ国以上に広がった。決議への支援状況をまとめたサイトによると、米国や中国、ロシアなどが態度を明確にしていなかったが、国連総会で反対意見を出す国はいなかった。

 決議は気候変動を「文明的規模でのかつてない挑戦であり、現代と将来の世代の人類の幸福は私たちの緊急対応にかかっている」と強調。ICJに対し、①国際法に基づき、人為的な温室効果ガスの排出から環境を守ることの国家の義務とは何か、②国家が対策をせず、重大な損害を生じさせた場合、どのような法的結果がもたらされるのか、の2点について勧告的意見を出すよう求めている。

 ICJは国際法上の紛争を解決するために設立された国連の主要な司法機関で、勧告的意見に拘束力はないものの、権威ある司法的な見解として尊重される。

主導した島国バヌアツの首相は

 バヌアツでは今年3月、二つ…

この記事は有料記事です。残り534文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません