フランス反年金改革、デモ隊と警察の衝突深刻化 ゴム弾による負傷も

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パリ=宋光祐
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 年金改革への抗議活動が続くフランスで、デモの参加者と警官隊との衝突が深刻な状況に陥っている。年金改革法の強行採択をきっかけに、パリなどの大都市ではマクロン大統領に抗議する無許可のデモが相次ぐ。警官隊の使ったゴム弾で失明したとの訴えもあり、警察の取り締まりに懸念が強まっている。

 28日には各地で労働組合による大規模なストライキと抗議デモがあった。内務省によると、全国で74万人が参加した。100万人を超えた前回の23日からは縮小したが、観光名所のエッフェル塔やパリ近郊のベルサイユ宮殿も従業員らのストで閉鎖された。26日から予定されていたチャールズ英国王の訪仏も延期されるなど影響は続いている。

 今、緊張が高まっているのは労組が呼びかけた、日中のデモに続く夜間の抗議活動だ。マクロン政権が憲法の特例規定である49条3項を使って年金改革を強行採択したことを「民主主義の否定」と受けとめた若者らが反発。SNSの呼びかけに応じて無許可のデモを繰り返すようになった。

 商店の破壊やごみへの放火など、暴徒化した一部のデモ参加者と警官隊との衝突が激化している。内務省によると、23日は約460人、28日は約200人の参加者がそれぞれ逮捕された。警察側も各日に約440人と約180人が負傷した。

録音された警察官の「脅し」

 パリでは暴徒化したデモの鎮…

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