大手電力カルテル、過去最高の総額1千億円超の課徴金命令 公取委
事業者向けの電力供給をめぐり、大手電力会社が互いに顧客獲得を制限するカルテルを結んだとして、公正取引委員会は30日、中国電力、中部電力と販売子会社・中部電力ミライズ、九州電力に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で総額約1010億円の課徴金納付命令を出し、発表した。公取委の課徴金納付命令としては過去最高額。
中国電力は30日、滝本夏彦社長と清水希茂会長が責任をとって辞任すると発表した。
電力小売りは、大手電力による地域独占を解消しようと、2016年に完全自由化された。公取委は自由化の目的に反する悪質なカルテルと判断した。燃料高などで電力各社の業績が悪化するなか、巨額の課徴金がさらなる経営圧迫につながる可能性がある。
命令に不服がある場合は、処分から6カ月以内に取り消しを求めて提訴できる。中国電は「取り消し訴訟の提起も視野に入れつつ、慎重に対応を検討する」、中部電は「事実認定と法解釈について見解の相違があり、取り消し訴訟を提起する」、九電は「今後の対応を慎重に検討する」などとしている。
課徴金額は、中国電707億1586万円▽中部電とミライズ計275億5590万円▽九電27億6223万円。ミライズと中国電、九電と販売子会社の九電みらいエナジーに対し、排除措置命令も出した。
関西電力もカルテルに関与し…