電動化進むのにエンジン部品強化 トヨタ系メーカーの「逆張り」戦略

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江口英佑
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 電気自動車(EV)の部品数は約2万点とされ、エンジン車の3万点から大きく減るとみられる。部品メーカーの多くが電動化対応を急ぐ中、トヨタ自動車系中堅の愛三工業は、主力のエンジン部品を強化する「逆張り」戦略を進めている。

 愛三工業は昨年、デンソーから燃料ポンプ事業を190億円で譲り受けると発表した。2022年3月期の売上高1937億円のうち、燃料ポンプ事業は4割の739億円を占める主力製品だ。買収に投じた190億円を5年ほどで回収する見込みだ。

 燃料ポンプの世界シェアは4割で世界トップになった。売り上げも1千億円を超えそうだ。今後、電動化が進むことで市場規模が縮んだとしても、シェアを増やすことで収益を得ようとしている。

 「トヨタグループの中で、我々に寄せた方がグループ全体で競争力を出せるのであれば、それで良い。売り上げも利益も上がり、それを次世代製品の開発にも投入できる」。愛三工業の野村得之社長(62)は、そう狙いを話す。

EVでは不要な部品だけど…

 燃料ポンプは、EVでは不要…

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