これから毎日お湯換えます 大丸別荘が是正計画公表、第三者委も設置
大浴場の湯の管理で不正が発覚した老舗旅館「大丸別荘」(福岡県筑紫野市)は30日、今後の「是正計画」をホームページ上に公表した。お湯の取り換えは外部業者に委託して毎日実施し、水質検査の結果も公表するという。
大丸別荘は、条例では週1回以上しなければならない大浴場の湯の取り換えを年2回しかせず、消毒用塩素の注入も怠っていたことが2月に発覚した。また、昨年の県の調査の際には虚偽の報告をしていたことが明らかになり、県が公衆浴場法違反の疑いで県警に告発している。
大丸別荘がこの日ホームページに掲載した文書によると、今回の不正について「全国の温浴施設の皆様が長年積み上げてきた信頼を揺るがし、すべてのお客様を裏切ることになりました」と改めて陳謝。大浴場のお湯換えは現在外部業者が週1回実施しているが、4月1日からは午後11時~午前6時は浴場を閉めて毎日お湯を取り換え、業者が作成する毎日の「作業完了報告書」も公開するという。
また、レジオネラ属菌などの水質検査を月2回、外部機関に委託。この結果も、旅館従業員が1日5回以上測定する浴槽内の塩素濃度とともに旅館内やHP上で公開するとしている。
また、今回の不正については、弁護士3人をメンバーとした第三者による調査委員会を設置して調べるほか、弁護士を窓口とした内部通報制度も整備し、コーポレートガバナンスの確立を目指すという。
大丸別荘は「是正計画はあくまで再スタートラインで、信頼が直ちに取り戻せる訳ではありません。日々お客様を誠心誠意おもてなしすることが、信頼回復への第一歩だと考えております」としている。(釆沢嘉高)
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