信越化学、金川千尋氏の功績たたえ財団設立へ 化学担う人材に助成
江口悟
信越化学工業は30日、同社の社長・会長を長年務め、今年1月に96歳で亡くなった金川千尋氏の名前を冠した一般財団法人「金川千尋未来化学財団」を設立すると発表した。6月末の設立を予定し、化学の未来を担う人材の育成や研究の支援を目的に掲げている。
同社によると、取締役会で、事業開始に必要な資金を拠出することを決めた。有識者と社内から役員を選び、化学の未来に資する人材を育てるため、研究への助成や留学支援をする。拠出する金額や具体的な助成方法など、細部はこれから決めるという。
金川氏は1990年から2010年まで社長を務め、在任中に13年連続で過去最高益を達成するなど、同社の事業を大きく拡大させた。世界1位のシェアを誇る塩化ビニールや半導体のシリコンウェハーに続く製品を育てようと、自ら新製品開発の先頭に立って研究支援に力を注ぎ、事業化を実現させてきたという。
同社は設立する財団の活動を通じ、こうした金川氏の思いや取り組みを継承していきたいとしている。(江口悟)
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