G7出身の高校生、ジュニア会議の成果を発表 若者視点で提言 広島
松尾葉奈
5月の広島サミットを前に、G7各国出身の高校生による「ジュニア会議」が30日、最終日を迎え、広島市中区の広島国際会議場で議論の成果をまとめた文書を発表した。平和や持続可能性、多様性の三つのテーマを中心に、若者の視点や提言をまとめた。
成果文書のタイトルは「広島から世界へ」。平和記念資料館の見学や県内各地の視察などを踏まえて議論したことを盛り込んだ。
平和のテーマでは、ロシアによるウクライナ侵攻について「解決は私たちの責任でもあり、取り組むべきだ」などと提言した。日本に核兵器禁止条約への参加も求めた。
持続可能性では、温室効果ガスの削減やSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け行動することを求め、SNSでの発信や教育などに取り組むと宣言。
多様性では、ジェンダー不平等や人種差別をG7各国が解決すべき課題とし、「若者が重要な役割を果たし、私たちの視点こそ未来である」とした。
フランス出身のアランプレヴォ・田辺さん(17)は、「フランスの視点から物事を伝えなければと思っていたが、参加者の考えが共通していた。『世界市民』として考えることができた」と振り返った。
米国出身のエイデン・オライリーさん(16)の最も心に残ったことは、被爆者の証言を聞いたことだという。「G7の首脳には被爆者の体験を考えてほしい」と訴えた。
英国出身のステファン・ジョンソンさん(17)は「サミットでは首脳らが実りある議論をし、世界の平和に貢献する共通の解決策を見いだしてほしい。全世界の若者の声を聞いて反映してほしい」と期待を込めた。(松尾葉奈)
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