15年前に漫画が「予言」と話題に 札幌の高層ビル建て直しトラブル
本山秀樹
高層ビルの建設現場で溶接工として働く男性は、溶接作業をした鉄骨が設計と異なる仕様であることに気づいた。
大地震が来たら、接合部が抜け落ちてビルが倒壊するかもしれない。男性は現場を監督するゼネコン社員に伝えたが、「そんなわけないだろう」と取り合ってもらえない。最後は鉄骨の交換を求めて会社の上層部に直訴し、訴えが認められた――。
15年前、ある連載漫画に描かれたエピソードが、3月16日に公表された札幌市で建設中の26階建てビルの鉄骨の施工不良トラブルを「予言していたかのようだ」と、SNSで話題になっている。
週刊漫画TIMES(タイムス)(芳文社)に連載中の「解体(こわし)屋(や)ゲン」は、解体業者の主人公・朝倉厳が、現場のトラブルや不正を突破力で解決する1話完結の漫画。2008年9月に掲載された第291話「現場の声」は、鉄骨の強度不足の恐れに気づいたベテラン溶接工の指摘を、工期遅れを恐れたゼネコン社員が隠蔽(いんぺい)する、というストーリーだ。
作画の石井さだよしさんとの…