岸田政権が「異次元」と掲げた少子化対策の試案が公表されました。注目が集まった児童手当などの経済的支援だけでなく、育児休業のあり方や奨学金、住まいへの支援など多岐にわたる政策が盛り込まれました。子育てをめぐる環境はどう変わるのでしょうか。
育児が女性に集中する職場環境も変える。いまは14%にとどまる男性の育児休業(育休)の取得率を、2030年には公務員・民間企業ともに85%にするなど「共働き・共育ての推進」が目標に掲げられた。
昨秋から始まった「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、国から支払われる給付金の水準を一定期間、現状の「休業前の賃金の67%」から「8割程度」に引き上げる。育休中は社会保険料の支払いが免除されるため、実質的に賃金を100%補えるようにする。夫が産後パパ育休を取得した女性も同様の給付金を受けられるようにする。
さらに、育休を取る社員の職場の同僚らに「応援手当」を出す中小企業には、国が助成金を支給する。
また、子どもが2歳になるまでの間、時短勤務をする際に手取りが減らないような給付制度をつくる。
多様な働き方に対応するため、いまは雇用保険が適用されない「週20時間未満の労働者」も、雇用保険が使えるよう検討を始める。実現には法改正が必要になる。
ただ、これらをすべて実現すれば「数百億円規模の財源が必要になる」(厚生労働省幹部)が、財源のメドはたっていないのが実情だ。(上地兼太郎)
「こども誰でも通園制度」
中学生までの子どもがいる家…