ロシア軍の戦力に深刻な打撃か 東部の戦闘、ウクライナには新兵器
ロシア軍が攻勢をかけるウクライナ東部バフムートの戦闘が膠着(こうちゃく)状態に陥った。ロシア軍の本格攻撃でウクライナ軍は一時、撤退不可避とみられたが、徹底抗戦。逆にロシア軍の戦力に深刻な打撃を与えたと主張する。そのウクライナには欧米からの新兵器が順次到着。新たな領土奪還作戦をちらつかせ、揺さぶりをかけている。(喜田尚)
ロシア国営ノーボスチ通信は3月26日、バフムート北部の大規模な金属工場をロシア軍が完全に制圧したと伝えた。この工場は昨年12月、ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃訪問し、自軍の兵士を激励した象徴的な場所だ。だが、英国防省は3月29日、「まだ競り合いが続いている」と制圧を否定した。
ロシアは昨秋にプーチン大統領が命じた「部分的動員」で30万人の予備兵を招集。年末から東部で本格攻撃に入ったとみられている。バフムートへの攻撃の中心は民間軍事会社「ワグネル」の部隊が担い、今年3月上旬には市東部を制圧。戦力を集中投入するロシア軍の前に、ウクライナ軍の撤退は避けられないとみられていた。昨夏からの戦闘で人口7万だったバフムートはほぼ廃虚になった。
だが、ゼレンスキー氏は徹底抗戦でロシア軍を消耗させる方針をとった。
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