日韓「友情ウオーク」出発 ソウル→東京「朝鮮通信使」の足跡たどる

ソウル=稲田清英
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 江戸時代朝鮮王朝から日本に派遣された外交使節団「朝鮮通信使」の足跡を日韓の人々がたどる「21世紀の朝鮮通信使 ソウル―東京 友情ウオーク」(日本ウオーキング協会、韓国体育振興会など主催、朝日新聞社など後援)が1日、ソウルにある朝鮮王朝時代の王宮・景福宮(キョンボックン)から出発した。日韓のゆかりの地をめぐり、ゴールの東京・日比谷公園には5月23日に到着する予定だ。

 朝鮮通信使は、朝鮮王朝が1607年から約200年の間に計12回、日本に派遣し、最大500人規模の大使節団が往来した。立ち寄った先々で様々な交流が生まれ、「善隣友好」の象徴ともなった。

 「友情ウオーク」は第1回通信使の派遣から400年となる2007年に始まった。2年ごとに開催されてきたが、前回は新型コロナウイルスの感染が広がる中で中止となり、今回は4年ぶりの開催。日韓関係が改善へと向かい、観光や文化などの草の根交流も活発化するタイミングでの「復活」となった。

 1日に歩き始めたのは計36人で、うち27人は日本から。朝鮮半島と日本の地図に今回のルートが描かれた旗を持って先頭を歩くのは、韓国出身で、女性で初めて旗手に選ばれた日本在住20年の李性任(イソンイム)さん(59)だ。今回で4回目の参加となる李さんは「旗手ということで緊張もしていますが、最後まで楽しく歩き、日本と韓国の平和をさらに厚くしていきたいです」と話した。

 「友情ウオーク」はソウルから安東や慶州などを経て釜山まで歩く。船で対馬や壱岐を経由して福岡に向かい、バスで広島などに寄ったあと、大阪へ。大阪からまた、東京まで歩く。歩く距離は日韓で計1100キロを超える。ソウルから東京まで全行程に参加する人もいれば、各地で一部の行程のみに参加の人もいる。(ソウル=稲田清英)

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