雄なの?雌なの? 両方の特徴持った不思議なズワイガニが水揚げ
清野貴幸
雄と雌両方の特徴を持った珍しいズワイガニが鳥取県境港市で揚がったと、鳥取県が発表した。県内では過去に例がないという。
3月6日に県営境港水産物地方卸売市場に水揚げされ、選別作業をしていた卸売業者の社員が見つけた。
県水産試験場によると、ズワイガニの甲羅幅は雄が雌より大きい。雌は通常、最大でも90ミリ程度で、このズワイガニは119ミリあり、爪も大きくて雄の特徴を示していた。
一方、おなか側にあり、通称「ふんどし」と呼ばれる器官の腹節は雌の外観だった。雄の腹節は三角形が一般的だが、このズワイガニは雌の特徴である丸形。中には卵を抱えるための腹肢(ふくし)と呼ばれる器官があり、一方で雄の生殖器もあった。卵はなかった。
試験場によると、原因は不明で、藤原大吾研究員は「断定はできないが雄の個体に雌の特徴が加わった可能性がある。非常に珍しいもの」と話す。ズワイガニは3月27日の発表時、水槽で生きていて、今後は国の研究機関でDNA解析など詳しい研究を進めるという。(清野貴幸)
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