VOGUE表紙に106歳タトゥーアーティスト 「人間性伝えたい」

加藤あず佐
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 ファッション誌「VOGUE PHILIPPINES」の4月号の表紙に、106歳のタトゥーアーティストのフィリピン人女性が採用された。VOGUEの表紙モデルとしては史上最高齢だという女性と、その伝統的な技術に注目が集まっている。

 VOGUEによると、女性はフィリピン北部の山村「ブスカラン」に住むアポ・ワン・オドさん。携帯の電波は届かず、WiFi(ワイファイ)を使う住民もわずかというこの村では伝統的に、男性は戦士として、女性は美しさの象徴としてタトゥーを入れてきた。オドさんは16歳のころ、父親にタトゥーの入れ方を習ったという。

 タトゥーを入れる際は、竹の棒にトゲをつけた道具を使う。この山村のタトゥーは2018年ごろから外国人の注目を集め、コロナ禍以前は1日400人以上の旅行者を受け入れた時期もあったという。

 オドさんはVOGUEのインタビューに「遠くから旅行者がきたら、私の目が見える限り、ブスカランの印を入れてあげよう」と答えている。

 米CNNは、20年に85歳で英国版の同誌の表紙モデルとなった英国人俳優の女性を超えて、「最高齢のモデルが表紙を飾った」と報道。CNNの取材に答えた同誌の編集者は「美の概念は進化しており、多様でインクルーシブな顔立ちを含むべきだと信じている。私たちが伝えたいのは、人間性の美しさだ」と話している。(加藤あず佐)

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