「選挙ループ」にはまったヨーグルトの国 2年足らずで5度の総選挙
ヨーグルトの本場・東欧ブルガリアで、「選挙ループ」がとまらない。2日、この2年足らずで5回目となる総選挙の投開票が行われた。出口調査では過半数を制する政党はないとみられ、国民の政治不信が高まるなか早くも6回目がささやかれる。いったいなにが起きているのか?
ことの始まりは2021年、汚職の一掃を掲げて通算で約10年間国政を担った中道右派のボリソフ政権が、欧州連合(EU)からの補助金流用疑惑などで退陣に追い込まれた。その年の4月と7月に立て続けに選挙が行われたが、いずれも第1党が過半数を獲得できず、連立交渉も失敗に終わった。
21年11月の3回目の選挙を経て、「反腐敗」を訴える米ハーバード大卒で起業家のキリル・ペトコフ氏が率いる連立政権が発足。しかし、ウクライナへ侵攻したロシアからのエネルギー供給をめぐる問題などで分裂し、議会で不信任決議が可決された。
昨年10月の4回目。ボリソフ元首相が率いる政党が第1党に返り咲いたものの、またもや過半数には届かず、連立政権の樹立はならなかった。現在、ラデフ大統領が任命した暫定政府が行政を担っている。
総選挙は比例代表制で、有効投票の4%以上で議席を得る。5回目の今回は240議席を、14の政党と七つの連合が争う。
地元紙ソフィア・グローブによると、ここまで5回の選挙にかかった費用は、計4億1369万レバ(約305億円)を下らない。政治空白が続き、多額の公費を費やしても安定した政権が樹立できない政治家たちに、有権者の不信は深まるばかりだ。前回4回目の投票率は39%。これは共産主義政権崩壊後の1990年に初めて自由で公正な選挙が行われて以来、最低の数字だった。
「毎日食べていたヨーグルトを…」
「最近、食料品の値段が何倍…
- 【解説】
ブルガリアの政治的不安定さを取り上げるのは大変良いことだと思うのだが、ブルガリアを「ヨーグルトの国」というのは、あまり本質とは関係なく、記事の中にも無理矢理ヨーグルトと生活実感の話を結びつけて、「ヨーグルトの国」と印象づけるのもどうかと思う