日中外相会談が北京で始まる 拘束された邦人の早期解放求める方針

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北京=上地一姫 冨名腰隆
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 林芳正外相と中国の秦剛(チンカン)国務委員兼外相の会談が2日午前、北京市内の釣魚台国賓館で始まった。林氏は、北京で拘束された日本の製薬大手・アステラス製薬の社員の早期解放を要求。ウクライナ侵攻を続けるロシアとの連携を強める中国を牽制(けんせい)するとともに、沖縄県尖閣諸島周辺などで軍事活動を活発化させていることにも深刻な懸念を表明する見通しだ。

 会談の冒頭、秦氏は今年は日中平和友好条約締結45周年にあたると指摘し、「現在、両国関係のバトンは我々の世代の手に渡り、我々は歴史と人民に恥じることない正しい選択をすべきだ」と述べた。その上で、「私は林外相とともに条約の精神を振り返り、交流と意思疎通を強めて、両国が妨害を取り除き、困難を乗り越えて前進するよう推し進めていきたい」と語った。

 これに対し、林氏は「現在、日中関係には様々な可能性があるが、同時に数多くの課題や深刻な懸案に直面をしており、非常に重要な局面にある」との認識を示した。「日中両国は、地域および国際社会の平和と繁栄に共に重要な責任を有する大国でもある」とし、「両国の外交責任者として、議論すべきことは数多い。率直なやりとりを行いたい」と語った。

 日本の外相の中国訪問は2019年12月の茂木敏充氏以来、約3年3カ月ぶり。昨年11月の岸田文雄首相と習近平(シーチンピン)国家主席との首脳会談で、首脳レベルを含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることを確認。「建設的かつ安定的な関係」の構築をめざし、林氏の訪中が実現した。

 林氏は3月31日の記者会見…

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