「宇宙人」だった町野修斗が見せた成長 恩師に明かしたW杯の悔しさ
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で出番のなかったストライカー、FW町野修斗(23)。
日本代表では3月28日の国際親善試合コロンビア戦で先発。所属する湘南ベルマーレでは4月1日のガンバ大阪戦で4ゴールと大活躍し、J1リーグの得点ランク首位に立った。
大阪・履正社高で指導した平野直樹監督(57)に、高校時代の思い出やW杯の前後に感じた変化を語ってもらった。
得点に絡んだが、欲を言えば…
コロンビア戦はテレビで観戦しました。
1トップで先発した町野は前半の45分間プレーしましたが、可もなく、不可もなくという印象です。
立ち上がりにペナルティーエリア内でボールを受けてキープし、MF守田に落として、そのクロスからMF三笘の先取点が生まれました。
ゴールの起点になったので悪くはないのですが、欲を言えば、相手のDFが寄せてきた時にグイッと体を入れて、前に運んでほしかった。
ペナルティーエリア内なので、前へと持ち出した方がPKを恐れる相手にとっては嫌なプレーでした。
あそこでもう一歩前に出ないと世界では戦えません。得点につながったのは良かったですが、キープして下げるだけなら他の選手でもできます。
その後はなかなかパスが回ってきませんでしたね。テレビの画面にはほとんど映りませんでした。チームとして縦パスが少なすぎました。ボールを持てるMF鎌田をボランチとして使うなら、横パスではなく、町野に縦パスを送るシーンを増やしてほしかったところです。
「行く感じ」だったクロアチア戦
今年1月に(高校サッカーの記録集に載る企画として)町野と対談する機会がありました。
平野監督の印象に残っているのは、感情のままに振る舞い、たくさん叱られていた高校時代の町野選手。しかし昨年11月、最初に発表されたW杯のメンバーに選ばれなかった後のプレーを見て、成長を感じたと言います。クロアチア戦では森保監督と目が合ったそうですが、その後……。
本人が言っていたのは、やっ…
- 【視点】
町野選手がJ1記録となる「前半だけで4得点」をたたき出した日、私は会社でデスクワークを担当していました。現場で取材する記者が状況を伝えてくれたメールには、こうありました。 「町野にボールが渡れば全部(ゴールに)入るくらいの状況です……」
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