不適切保育に相談窓口を 弁護士有志の団体が取り組みスタート

こぼれ落ちる子どもたち

中井なつみ
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 各地の保育施設で相次ぐ不適切な保育について、保育問題に関心のある弁護士らでつくる団体「保育を考える全国弁護士ネットワーク」が、3月末から保護者や保育士らからの相談を受け付け始めた。同団体共同代表を務める藤井豊弁護士は「悩みや不安を抱え、孤立しがちな当事者のサポートができれば」と話す。

 不適切保育への対応については、「どのようなものが不適切な保育に該当するのか」という統一基準を設けることが難しいことや、自治体や園に専門の対応窓口が設置されていないことなどが課題とされてきた。

 これまでも同団体に所属する弁護士のもとには、保護者から虐待などの相談があったという。藤井さんは「園にも行政にも相談があった場合のノウハウがないことも多い。一方、子どもの日常の場である保育現場での不安は、一日も早く解消し、安心できる環境を整えていくことが重要になっている」と指摘。「保護者の不安を受け止め、伴走できる窓口が必要」と話す。

 相談は全国どこからでも受け付け可能。氏名、自治体名、園名、相談内容を明記し、同団体のメールアドレス(hoiku.bengoshi@gmail.comメールする)へ。その後の対応によっては相談料などがかかることもある。

 藤井さんは「不安を感じている保護者の方はもちろん、働く場の環境に不安のある保育士の方の相談も受け付けたい。法的な観点から、特に虐待など早急な対応が必要なケースの手助けができれば」と呼びかけている。(中井なつみ)

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