【詳報】ウクライナ侵攻67、4月4日~4月12日(日本時間)

有料記事ウクライナ情勢

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 ウクライナ軍参謀本部は11日、激戦が続く東部バフムートをめぐり、ロシア軍が引き続き攻勢をかけていると明らかにしました。親ロシア派の幹部は「(バフムートの)75%以上をロシア軍側がおさえている」と主張しましたが、ウクライナ陸軍司令官は「状況は困難だが、制御可能」との見方を示しました。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

【ツイート分析】SNSが伝えた戦場 ウクライナ侵攻1年

SNSはウクライナ侵攻でどんな役割を果たしたのでしょうか。戦場の様子や解放の喜び、そしてロシアに不都合な事実。この1年、世界を駆け巡ったツイートを振り返ります。

■■■4月12日(日本時間)■■■

23:05(マドリード12日16:05)

流出疑惑の機密文書「正しい情報と誤った情報が混在」 ウクライナ国防相

 ウクライナのレズニコウ国防相は12日、ロシアのウクライナ侵攻などに関わる米国の機密文書が流出した疑惑について、正しい情報と誤った情報が混じっているとの見方を示した。訪問先のスペインで語った内容を、英スカイニュースが報じた。

 報道によると、レズニコウ氏は正しい情報も今では意味がないものだとし、今回の情報流出の疑惑についてはロシア側を利する情報操作との見方を示したという。

20:24(ブリュッセル13:24)

欧州委員会、ウクライナ兵捕虜斬首の動画に「責任追及する」

 欧州委員会のマスラリ報道官は12日、ロシア兵がウクライナ兵の捕虜を殺害している様子を写したとされる、SNSで拡散している動画について、本物であるならば「欧州連合(EU)は戦争犯罪のすべての加害者と共犯者の責任を追及する」と発言した。CNNなどが報じた。

 拡散されている動画は2本。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の兵士が撮影したとみられる、ウクライナ兵を斬首したとされる動画が8日、親ロシア派のSNSに投稿された。11日には昨夏に撮影されたとみられる、ウクライナ兵を斬首する様子とされる動画もSNSに投稿された。

 マスラリ氏は、動画が「本物であるならば、ロシアが国際法を完全に無視していることを改めて示すものだ」と強調した。

 ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」によると、ゼレンスキー大統領は同日、ビデオに関連して「すべての指導者が反応しなければならない。時間が経てば忘れられると思ってはいけない」とコメントした。

17:08(モスクワ11:08)

サハリン2、英シェル持ち分をロシア企業に売却

 ロシア極東サハリンの液化天然ガス(LNG)開発事業「サハリン2」について、ロシア政府は、英石油大手シェルの持ち分約27・5%をロシアの独立系エネルギー会社ノバテクに売却することを承認した。タス通信が12日、伝えた。売却額は948億ルーブル(約1500億円)だとしている。

 サハリン2をめぐっては、ロシアのプーチン大統領が2022年6月末、新しく設立するロシアの運営会社に資産などを譲渡するよう命じる大統領令に署名。参画する日本の三井物産三菱商事については、ロシア政府がすでに株式の継続保有を認めている。

 これでサハリン2の新たな運営会社の出資比率は、ロシア国営ガスプロムが約50%、ノバテクが約27・5%、三井物産12・5%、三菱商事が10%となる。

14:47(ロンドン08:47)

ロシア、ウクライナ南部で120キロにわたり防衛線を整備

 英国防省は12日の戦況分析で、ロシアがウクライナ南部ザポリージャ州で数週間にわたり、120キロにわたる防衛線の整備を続けていると発表した。三つの防衛線が重層的な防衛地帯を構成しており、最前線の10~20キロ後方に、より念入りに築かれた二つの防衛線を設けているという。

 英国防省の分析によれば、ロシアは、占領している州内の拠点都市メリトポリがウクライナによる攻撃を受けるとの見方を強めている。こうした戦況の認識を背景に、ロシア側は防衛線の構築に努めているのだという。ただ、ロシア側がこの防衛線を活用する上で必要となる火砲や人員を集められるかどうかは不透明だとした。

12:43(モスクワ06:43)

ロシア国防省、ICBMの発射訓練を実施

 ロシア国防省は12日、南西部アストラハン州の訓練場から大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射訓練を実施したと発表した。ロシア国営タス通信などが伝えた。

 発表によると、ミサイルは移動式の発射台から発射され、旧ソ連構成国の隣国カザフスタンのサリーシャガン訓練場の目標物に命中したという。国防省は「新型戦略ミサイルの開発で使用されるシステムの正確さが確認された」とした。

 ロシアのプーチン大統領は2月下旬、戦略核弾頭などの数を制限する米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)の履行停止を表明していた。

06:30(ワシントン11日17:30)

ロシア、招集令状をデジタル化へ

 米国のシンクタンク「戦争研究所」(ISW)は11日、ロシア下院が、招集令状をデジタル化する法案を可決したと伝えた。令状の発行を効率化し、徴兵逃れを取り締まるためという。

 12日に上院が可決後、プーチン氏が署名して成立する。ISWによると、この立法により、徴兵対象となる国民の医療や教育、年金などの個人情報を集め、デジタル登録簿を作成することになる。

 招集令状も電子メールなどオンラインで送れるようになり、対象者のアカウントに届いた時点で受け取ったと判断される。対象者は出国が禁止され、20日以内に軍に出頭しなければならない。出頭しなかった場合、車の運転や不動産の売買などが禁止される。

02:00(イルピン11日20:00)

イルピンに日本の建設機械が到着 建物の廃棄物処理などに利用へ

 ウクライナの首都キーウ近郊イルピンに11日、日本の建設機械7台が到着した。日本政府の緊急支援プロジェクトの一環で、ロシア軍による攻撃で破壊された建物の廃棄物処理などに利用される。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。

 ウクライナ各地では破壊された建物の解体作業が進む一方で、廃棄物の処理が課題になっている。キーウ州当局者によると、州内の廃棄物は計14万トンに上り、うち約11万トンが31カ所に分散して残されているという。

 建設機器の引き渡し式で、日本の松田邦紀・駐ウクライナ大使は「廃棄物を適切に処理し、可能なものは再利用する必要がある。この段階がなければ、次の復興段階に進むのは不可能だ」と語った。日本からは年内に、さらに29台がこの地域に届けられる予定という。

バイデン大統領、ロシアで起…

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    増田ユリヤ
    (ジャーナリスト)
    2023年4月5日2時35分 投稿
    【解説】

    フィンランドのNATO加盟が、このような形で実現するとは。20年ほど前から、教育現場の取材でフィンランドに通ってきたが、選挙があるたびにNATO加盟の是非が争点に挙げられ、やはりそれは ないだろう、という判断が下されてきた。ところが、ロシア

    …続きを読む
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2023年4月7日6時35分 投稿
    【視点】

    ウクライナ戦争に関する時系列報道で、4月5日21:30(モスクワ5日15:30)<プーチン氏「米外交がウクライナ危機招いた」>がありました。この日、クレムリンで行われたプーチン大統領に対する17人の新任大使による信任状捧呈式です。信任状捧呈

    …続きを読む
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